相談者の現状
物件状況: 埼玉にある築50年の親の家が現在空き家となっており、土地は300坪以上。地形には高低差があるが、測量図がない。
家族構成: 長男と長女はそれぞれ都内で家を所有して独立済み。次男は転勤が多く、賃貸での生活。
土地活用の懸念: ハウスメーカーから賃貸住宅プランが提案されているが、賃貸経営に対する不安がある。土地の活用方法や必要な資金、スケジュールについての明確なアドバイスを求めている。
問題点の整理
築50年の親の家をリフォームする場合の費用はどのくらいか。
賃貸経営における市場性はどうか、将来的に収益を見込めるのか。
売却した場合の価格はどの程度か。
相続税が発生するか、その場合どのくらいかかるのか。
相続時にトラブルが発生しないための分割対策はどのようにすればよいか。
提案内容
現状の土地の測量と建物調査の実施(実費)
市場調査会社による複数のマーケティングレポートを実施
相続財産の評価、納税額の算出、争いを防ぐための分割対策の提案
売却価格の査定
総合的な土地の有効活用プランの提案
土地活用と資産評価に基づく最終提案
・現状の土地の測量と建物調査の実施
敷地には高低差があり、正確な測量図もなかったため、測量会社に依頼して現状測量を実施し、同時に建物の現況調査も行った。現在の住居が140坪、有効活用対象の土地が180坪と仮定して検討を進めた。
リフォーム対象は延床50坪で、リフォーム費用は約2,000万円と見積もられた。建物は築50年の平屋で、耐震性がない。
・市場調査会社による複数のマーケティングレポートを実施
賃貸市場の調査によれば、70㎡の物件でも駐車場付きで月額10万円が上限。地域の人口減少や1R・1K物件の飽和により空室率が高いものの、環境が良いため2LDK~3LDKには一定の需要が見込まれる。ただし、ハウスメーカー3社からの賃貸住宅新築提案では、表面利回りは6~7%であり、弊社基準の10%には達しなかったため、新築やリフォームによる賃貸経営は収益性が低いと判断した。
駐車場としての活用案も2社から提案を受けたが、1社は稼働率が4割と低く実現は困難。もう1社は6台程度のスペース(30坪)を提供可能だが、賃料は月額1万円×2台分しか保証できないとの結果。
・売却価格の査定
売却査定では、敷地の規模や高低差の影響で一般消費者向けではなく、買取業者から180坪で8,000万円の査定が出された。道路付けが良いため、想定よりも高い価格が提示された。
・相続財産の評価、納税額の算出、争いを防ぐための分割対策など総合的な土地の有効用プランの提案
財産評価の結果、預貯金は少ないものの、有価証券や他の不動産を含めた総資産は約1.5億円であり、相応の納税資金が必要と判明した。
分割対策では、自宅部分120坪を次男世帯との二世帯住宅として利用する案を検討。また、相続税支払いのため、30坪を駐車場として運用し、残り150坪を売却するという結論に達した。
売却益は二世帯住宅の資金や、不動産投資運用、さらには代償分割資金として生命保険を活用するなど、家族間で合意が得られた。
