空室率ゼロの老朽化アパートをどうする!?賢い選択肢を探る!

相談者の状況

年齢: 52歳
所有不動産:
駅徒歩4分の立地にある、木造2階建てアパート(全5戸、敷地面積100㎡、建蔽率60%・容積率160%という良好な条件)を5年前に相続。現在は満室だが、老朽化が進んでいる。
自宅として別のマンションを所有している(2物件)ため、上記を自己利用は考えていない。
金融資産: 3,000万円
相続人: 妻、長男、次男の3人
物件の問題点:
・共同トイレ・風呂なしで、入居者の賃料が低く、生活保護受給者もいるため、今後のリスクが心配。
・外壁・屋根の修繕に300万円以上かかり、今後もメンテナンス費用がかかる見込み。
・収益の見通しが不透明。

相談内容

今後の維持管理費用の発生や将来の収益の見通しが立たず、このまま賃貸経営を続けるべきか悩んでいます。将来の相続に向けて資産の分割方法も考慮している。

検討内容

1.相談者の意向を確認

将来の相続対策として総資産についてヒアリング。売却の意思があるか、またどの程度の自己資金と総資産があるか現状を把握と、将来の相続に向けた資産の分割方法を検討。

2.現状のアパートを大規模にリノベーションした場合の費用やプラン・賃料を確認。

間取りの変更に加え、外装の葺き替え工事や耐震補強工事、設備の新規設置を考慮すると、総資金が3,500万円かかり、築年数は48年のままで、賃貸は1DK程度の3戸しか取れないため、月々の賃料収入は30万円、年間360万円(満室時)となり、現在の収益からは減少することがわかりました。将来的なメンテナンス費用も10年ごとに考慮しなければならないことを事業計画書で説明しました。収益を得るのは難しいと判断しました。

3.簡易的な原状回復工事を行った場合を検討。

共同トイレ・風呂なしの条件は変わらず、問題点を解消できないため、簡易的なリフォームは早々に除外することになりました。

4.売却査定額と譲渡税を確認。

売却査定額は6,000万円で譲渡税が発生することや、親から譲り受けた土地を簡単に手放したくないという意向があるため、売却案は検討から除外されました。

5.建て替えた場合のプラン、費用、賃料を確認するための市場調査。

3階建てに建て替え、25㎡以上の1Kと1LDKのプランで5戸の提案を行いました。
総資金計画が4,000万円に対し、月々の賃料収入は55万円、年間収益は660万円(満室時)であることが判明しました。収支計算でも問題がなく、表面利回りが10%を超える見込みから、将来的な大規模メンテナンス費用や空室率、家賃下落率を考慮した事業計画書を提示したところ、建替えに決定。

結論

収支計画や将来性を考慮し、建て替え・新築計画がスタートしました。ご紹介した4社の建築会社にコンペを依頼し、デザイン力のある木造住宅会社を選定しました。請負契約を前提に、アパートローンの金融機関選びや、現在借りている方への立ち退き交渉を進めています。

また、相続に関しては現状の資産把握と、将来、長男と次男の間で争いが起こらないよう、平等に分割するための考え方についてもアドバイスを行いました。

担当エージェント紹介

栗原 浩文

栗原 浩文Hirofumi Kurihara

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会会員) 2級建築施工管理技師