相談者の方は、相続した約300㎡の土地の有効活用を検討していました。父親が所有するこの土地は、最寄り駅からも徒歩30分程かかる住宅地。周辺は生産緑地も多くある緑豊かな環境だが、バス通りともう1方も6m幅員という、大きい2つの道路に面した整形地。父親はここ以外にも複数の不動産を所有しており、元気なうちに相続対策として賃貸住宅の建築を考えていましたが、地域の賃貸市場においてはリスクが伴うことが懸念されました。
土地の売却と収支計画
約300㎡の土地の一部を売却し、その売却益を使って残りの土地に賃貸住宅を建設することを計画しました。しかし、最低敷地面積が125㎡と規定されているため、土地を2区画にしか分割できず、この条件では残りの土地での賃貸住宅の収支計画が成立しないことが確認されました。これにより、より適切な土地活用方法を模索する必要が生じました。
提案された計画
・賃貸住宅の市場調査
2LDKの50㎡の賃貸住宅に対する需要が高いことを確認し、長期的な安定収入を目指すことを提案しました。
また診療所や保育園などの運営企業とのマッチングを提案し、地域ニーズに応じた柔軟な土地利用を図ることも検討しましたが、立地上、住宅以外はマッチングが難しいと判断しました。
・設計案の策定
借入を最小限に抑えるため、木造2階建ての賃貸住宅やタウンハウス、長屋形式などの設計案を作成し、それぞれが住環境を重視した快適な生活空間を提供することを目指しました。
・詳細な収支計画の作成
サブリースを想定した上で、借入利息、税金、管理費、修繕積立金、火災保険料などを差し引いた収支が毎年プラスとなることから、将来のキャッシュフローを見越した詳細な計画を立てることで、相続時の資産価値の維持と向上を狙いました。もちろん空室リスクについても検証済。
結果
提案されたプランは賃貸住宅としての収益性を高め、相続対策としても機能することが確認されました。相談者は土地の有効活用に自信を持ち、今後の計画を安心して進めることができるでしょう。