築40年賃貸併用住宅と母親の空き家実家をどう活かす?相続対策と建替え・リフォームの最適解

相談者の現状と課題

所有物件:都心に築40年の重量鉄骨造4階建て賃貸併用住宅を所有。
現在の居住状況:相談者と配偶者の2人でその賃貸併用住宅に住んでいる。
家族構成:相談者夫妻と長女夫妻がいる(長女夫妻との同居を検討中)。
課題:相続対策として、長女夫妻と共に暮らすために2世帯住宅へのリフォームまたは建替えを検討しているが、どちらが良いか悩んでいる。
追加の問題:相談者の配偶者の実家が1年間空き家となっており、母親は施設に入所中。母親の生活費は預金から賄っているが、今後の資金不足が心配。

自宅と配偶者の実家の今後について、総合的なアドバイスが欲しい。

賃貸併用住宅と配偶者の実家の活用に向けた具体的なサポートプラン

・自宅の家屋調査の実施

まず現状把握のため、自宅の賃貸併用住宅について目視で家屋調査を実施。旧耐震基準の建物であるが、ハウスメーカーによる施工で検査済証が残っており、耐震性には問題がないと判断。

・2世帯住宅のリフォーム費用の見積もり

次に、現状の2DK2室を長女夫妻用にリフォームする場合の概算費用は2,000万円。相続対策としては、小規模宅地の特例により80%の評価減が適用されるが、全体的な効果は限定的。

・賃貸併用住宅の建替えにかかる費用、賃料、収益の見込みの計算

また、賃貸併用の2世帯住宅に建替える案も検討。都心の一等地に位置するため市場ニーズは高いが、商業地域かつ防火地域であり、鉄筋コンクリート造6階建て、延べ床面積240坪の建物を建てる場合、総額3億円以上が必要。築40年以上経過しており、給排水管の劣化などによる将来の維持費や借入金を考慮すると、建て替えが望ましいが、大規模な投資であるため慎重な判断が求められる。

・実家の賃貸計画に対する市場調査

一方、実家については市場調査を実施。大学が近く、駅から10分以内という立地条件からアパート建築の可能性が確認された。相続対策として、母親とご主人の間で借地契約を締結し、ご主人が建物を建て、借地料として年間180万円を母親に支払う形が提案された。

上記のことから、配偶者の実家の建替えは収益が見込め、ご主人にも年間150万円ほどの手残りが生まれる計算。母親の相続対策にも有効であり、同時にご主人の相続対策にも貢献するため、まずは実家の賃貸住宅計画を進めることが決定。現在、賃貸住宅の建設が進行中である。

担当エージェント紹介

小野 信一

小野 信一Shinichi Ono

公認不動産コンサルティングマスター ファイナンシャルプランナー (日本FP協会会員) 宅地建物取引士 2級建築施工管理技士 既存住宅アドバイザー